WS2009_000030


「岩城~」拓馬を誰かが呼ぶ声が聞こえたので、拓馬は声のした方へ向かった。するとそこには大谷先生がいた。「あ~~~~大谷先生、来てくれたんですね!」と拓馬が駆け寄ると、大谷先生の両手を持って握手した。

そこには司会をした山下先生と拓馬の学校の校長先生もいた。大谷先生と山下先生は知り合いで、拓馬の事は筒抜けであった。校長先生が「岩城くんはどうして大谷先生を知ってるのかね?」と聞かれたので

「紹介してもらって、大谷先生に色々小学生の時教えてもらったんです」と言い続けて
「だから藤水女子高は僕の母校なんです」と言うと、大谷先生が
「おまえ いい事言うな~母校か うん」と笑った。

すると後ろの方から「たくま!」と少し怒っているような女性の声がした。拓馬は声の方を見ると菜緒がいた。「あ、菜緒さん 来てくれたんだ!」と手を振ると菜緒は女生徒をかき分けて前に出てきた。

「拓馬~お前 遊びに来るって言って 一度も来ないじゃないか~」と半泣きになりながら拓馬の胸の辺りを人差し指で突いた。「あは 菜緒さん ごめん」と謝ると「会いたかったぞ」と言ったその直後「わ~」と泣きながら拓馬に抱き付いてきた。

後ろで見ていた女子高生達が「あ~~~~」と声が出ない口で見ていた。校長先生はニコニコ笑ってるし、山下先生と大谷先生も腕組みしたまま、笑顔で二人を見ていた。菜緒は少し落ち着くと自分から離れて「すみません」と周囲に謝って1歩後ろへ下がった。

誰も何も言えない空気になってしまった。そこで大谷先生が「校長先生、今度うちの学校にも来て演奏して頂けませんか?」と言い出した。女子高生たちは「わあっ」と声を上げ、校長先生は「勿論いいですよ」と了承した。

校長先生は「それじゃ山下先生、手配をお願いしますよ」と言うと、拓馬は大谷先生に「よろしくお願いします」と元気に挨拶した。大谷先生は「さ、それじゃ我々は帰りましょう」と生徒たちを連れて帰って行った。その後ろを菜緒も名残惜し気に振り返りながら拓馬を見て小さく手を振っていた。

その姿を見ながら拓馬は(菜緒さんって、前回の人生では出会ってないはずだよな~どういう縁があるんだろう)と不思議に思っていた。


文化祭一般公開

翌日一般公開という事で会場へ来てみると、昨年度の卒業生もかなりいて、色々な人でごった返していた。
山下先生とのショートコントも台本をしっかり作ってあり、一般公開でも同じように盛り上がった。この日も大盛況で終わる事ができて、吹奏楽部のメンバー達も、くたくたのはずなのに興奮状態で疲労の事を忘れていた。

その翌週、藤水女子高での公演が行われ、中学生のステージなのに高校生が大盛り上がりで、無事終えることが出来た。
その翌週、今度は文化センターで公演依頼があり、呼ばれるままに、あちらこちらの会場で演奏を続けた。そんな忙しい秋から冬が過ぎようとしていた頃である。

学校でその日の最後の授業が終わると「ピンポンパンポ~ン」と校内放送が流れ「2年2組 岩城拓馬くん 水野美沙さん 校長室までおいでください」と呼び出された。「なんだなんだ?」と2組はざわついた。拓馬と美沙は急いで校長室まで行くとそこにはスーツを着た中年の男性が2名待っていた。




 
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