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翌日の朝、美沙は早速拓馬の家に行った。拓馬の部屋へ行くと早速昨晩の事を話した。「あのね 昨晩母と相談して母はすぐ了承してくれたの。でも父は難しいからって、母がとっておきのブランデーを用意してね 少しいい気分になってから切り出したの」と状況を説明した。

「最後には父も了承してくれたんだけどね・・・」「半泣きで笑いながら部屋を出て行っちゃった」と少し笑いながら報告した。拓馬は美沙を見て「いよいよだね」と言うと美沙も「はい」と応えると、拓馬は美沙を抱きしめた。「絶対放さないから」美沙も「うん」と応えた。

拓馬は美沙の両肩に手を乗せて「それじゃソローミュージックへこの事を伝えるね」と言った。夏休みも終わりに近づいた日曜日、拓馬の家には両親がいたので、拓馬と美沙は揃って居間へ行った。

拓馬の母が「あら お腹空いた?」と言うも拓馬は「いや ちょっと話があるんだ」と言うと、拓馬の母は「あら~ 二人そろって~」と言いながら「なぁに?」と気軽に聞いてきた。

拓馬は「お父さんも呼んでくれる?」と言うと母の眉毛が上に上がった。「お父さぁ~ん」何か重要な事であると感じた母は、急いで父を呼びに行った。4人で揃ってソファーに座ると拓馬は「決めたよ」と一言言った。

拓馬の父は腕組みしたまま黙って聞いていた。そして拓馬が「俺たち東京へ行くことに決めたよ」と付け加えると、父は「ソローか?」と一言。

拓馬が「うん」と返事をすると一緒に美沙もうなずいた。母が「美沙ちゃんのご両親は何て?」と聞いたので、美沙は「了承してもらいました」と言うと、父はもうそこまで決まったか、という諦めの気持ちで「わかった 思い切り好きなようにやりなさい こちらの事は何も心配いらないから」とはっきり言ってくれたのだ。

拓馬は「父さん 母さん ありがとう」と力強く言った。美沙も「ありがとうございます」と会釈した。母がぽつりと「そっか~ 拓馬 もうじき出て行っちゃうんだ~」とあの明るい母がしょんぼりしている。

少し間をおいて父が「お前たち 結婚考えているのか」といきなりの爆弾投下に母は「結婚!?」と声が裏返っていた。拓馬は「勿論」と言うと、美沙は拓馬の方を見て、目がゼリーになっていた。拓馬の母も一緒に目がゼリーになり、皆でうるうる状態になっていた。

そして拓馬の父が「美沙ちゃんのご両親と食事会をしないか」と提案してきた。美沙は「はい 伝えておきます」と嬉しそうに言うと「電話お借りしていいですか」と行動が素早い。拓馬の母が「いいわよ どうぞ」と言うと、美沙は玄関へ行き、自宅へ電話していた。

少しして戻って来た美沙が「いつでもいいので、連絡くださいと言っていました」と伝えた。そんなこんなで、話はどんどん進んで行ったのであった。

ソローの武藤と連絡を取り、契約がまとまると、大沢学園高校と寮の手配等準備が進んでいった。この話はまだ極秘扱いで学校でもだれも知らないのである。

そして食事会の夜、大盛り上がりである。美沙の母は優雅でいながら、落ち着きのない父と、拓馬の父はごついが人当たりは良く、母は完全に舞い上がって一番騒がしい。そんな楽しい姿を拓馬は笑いながら見ていた。美沙も笑ってはいたがその雰囲気が嬉しくて泣き出しそうな気持を押さえるのに精いっぱいであった。


つづく・・・





 
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